日本国内では、空き家の増加が目立ち問題視されています。ここでは、工務店が知っておくべき空き家の現状、活用するメリットデメリットについて解説します。
国土交通省の調べによれば、1983年から2013年までの20年で空き家の総数は1.8倍に増加し、820万戸に達しています。この中で、賃貸や売却用を除いた「その他の住宅(空き家)」が2.1倍に増え、318万戸となっており、特に木造の一戸建てが多くを占めています。全国平均で「その他空き家」の割合は5.3%で、一部地域では10%を超える場所もあります。
空き家の増加は、経済活動や産業構造の変化、少子高齢化による人口減少が大きく影響しています。空き地も同様に増加傾向にあり、所有者の意向により散発的に存在しています。また、核家族化の進行により、親世代と子世代が別々に住居を構えることが多くなったことで、供給数は増える一方です。
高齢化社会の進行により、所有者が老人ホームに移るケースが増えています。そのため、住居が活用されず放置されることがあります。また、相続によって取得した住宅も売買や賃貸が進まず、放置されることがあります。
空き家を活用する大きなメリットは、物件から収益を得られることです。戸建賃貸、シェアハウス、民泊など、さまざまな方法で空き家を収益化することが可能です。空き家を放置しておくよりも、経済的な利益を得ることができる重要なポイントです。
空き家を利用することで、改修工事やリフォームが行われる機会が増えます。これにより空き家の耐久性が確保され、倒壊のリスクが抑えられます。特に経年劣化が進んだ物件では、メンテナンスは安全を保つためにも重要です。
リノベーションやリフォームを行うことで、空き家の資産価値を向上させることができます。通常、年数が経つごとに家の価値は減少しますが、適切な改修を行うことで価値を高め、将来的に売却や賃貸でより良い条件を得ることが可能です。
空き家の適切な管理や活用は、近隣住民への悪影響を防ぎます。放置された空き家は、草木の伸び、不衛生な環境、防犯上のリスクなど、近隣住民とのトラブルの原因となり得ます。適切な活用により問題を解消し、地域社会との良好な関係を維持できます。
空き家の活用は、倒壊や防犯面でのリスクを回避するだけでなく、物件自体や周辺環境の改善にもつながります。定期的なメンテナンスやリフォームによって、物件の機能や外観が向上し、地域全体の景観向上にも寄与します。
使われていない空き家は、放置することにより景観を悪化させます。雑草の繁茂、建物の劣化が進むと、不衛生な状態が続き、悪臭や害虫・害獣の発生原因となることもあります。また、老朽化した建物は倒壊の危険性を伴い、周辺地域の治安への影響も懸念されます。
空き家の活用には、リフォームやメンテナンスが必要ですが、これらには高額な費用がかかることがあります。特に腐食や劣化が進んでいる場合は、修繕費用が増大し、事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。これにより、活用のための投資が利益を上回るリスクがあります。
空き家を利用したビジネスが成功する保証はありません。売却や賃貸、新しいビジネスへの転用など、さまざまな活用方法がありますが、市場の需要や状況によっては、期待通りの収益が得られないこともあります。活用方法の選定や事業計画の策定には、慎重な検討が必要です。
日本では空き家の問題が深刻化しており、工務店は空き家の現状と活用の重要性を理解する必要があります。空き家を活用することで、物件の収益化、倒壊リスクの低減、資産価値向上などのメリットがありますが、一方で高額なリフォーム費用や利益につながらないリスクも存在します。工務店はこれらのメリットとデメリットを慎重に検討し、適切な活用戦略を立てることが求められます。
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