ハウスメーカー・工務店が着目すべき狭小住宅の需要

狭い土地を有効に活かせるように設計された狭小住宅は、都会を中心に人気です。本記事では、狭小住宅の概要や、ハウスメーカー・工務店が狭小住宅の需要に対応する方法について解説します。

ハウスメーカー・工務店が着目すべき狭小住宅とは？

狭い土地に合わせた居住空間の小さい家である

狭小住宅とは、その名のとおり狭い土地に合わせた居住空間の小さい家です。狭小住宅の明確な定義はありませんが、一般的に敷地面積50m2（約15坪）以下であるか否かで、一般住宅と区別されます。

また、狭小住宅の特徴は利便性・快適性を高める設計の工夫です。地階を設けた3階建や開放感のある吹き抜けなどを活用して、狭小地でも住みやすい家を設計します。

地価の高いエリアでも家を建てられる

駅近などの利便性が高くて広い土地だと予算が足りないという人でも都会に家を建てられる点が、狭小住宅の大きなメリットです。同じ土地の場合には、3階建て住宅の建築費用は2階建て住宅よりも当然高くなります。

しかし、地価の安いエリアに広い土地を購入して2階建て住宅を建てるよりも、地価の高いエリアの狭小地に3階建て住宅を建てるほうが総費用を抑えられる場合があります。したがって狭小住宅は、できるだけ予算を削減しつつ利便性の高いエリアに家を建てたい施主におすすめの住宅タイプです。

維持費や税金が安い

小さい建物は修繕箇所が少ないため、維持費を抑えられます。また、土地と建物の面積が小さいと固定資産税や都市計画税を抑えられることも、狭小住宅のメリットです。

ハウスメーカー・工務店が狭小住宅の需要に対応する方法

垂直方向のスペースを有効活用する

限られた敷地面積（平面のスペース）よりも、垂直方向のスペースの有効活用が、狭小住宅を設計する際のポイントです。3階建てや地階、屋上テラスなどを設計して、必要な部屋数を確保します。例えば屋外に庭を設置できない代わりに、屋上にテラスを施工すればバーベキューや星空観察などのアクティビティができます。

日当たりを確保する

日当たりが悪い狭小地の場合には、2階にリビングを設けて日当たりを確保できます。中庭を設けて自然光を取り入れる方法もあり、プライバシーを確保しながら自然光の明るさと温かさを得られる点がメリットです。

収納空間を設ける

狭小住宅の居住空間は限られているため、タンスや書棚などの収納家具を設置すると部屋が狭くなります。そこで設計を工夫し、収納空間を設ける必要があります。

例えば床下収納をはじめ、ロフトやグルニエ、ガレージ収納などが、代表的な収納空間です。施主が収納場所を確保したいと希望する場合には、具体的なアイデアを提案しましょう。壁面収納やベッド下収納など、「見せる収納」を活用した設計も可能です。

まとめ

狭小住宅は住宅密集地に建築される場合もあるため、特に採光を確保する工夫が重要です。また住宅部分を広く取ることで隣家との距離が近くなるため、プライバシーに配慮した設計も求められます。立地や施主の希望を考慮しつつ、狭小地でも快適性の高い住宅を設計しましょう。

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